韓国旅行に行くと、観光以外にもう一つの楽しみなのが「韓国料理」。韓国の料理ってなぜか一度食べると病みつきになってしまいますよね。
また、韓国は口コミ文化が深く根付いていて、ネットサーフィンをしながら、맛집(美味しい店)を探すのも楽しいです。
しかし。いざ、韓国のレストランや食堂に訪れた際、どんな言葉をかけて店員さんを振り向かせるべきか迷う方も多いはず。はたして日本語と同じように「すみません」で韓国人の店員は振り向いてくれるのでしょうか?
また、店員さんを呼び止めることに成功した後、どのように注文すべきでしょうか?たとえば、「これとこれ」「以上です」というふうな簡単なフレーズを知っておくだけでも、大いに役立つかもしれません。
今回は、ネイティブでないとなかなかわからない韓国の食堂事情から韓国のお店で使える韓国語フレーズ・言葉についてご紹介します。いざとなったときにお店で困らずに韓国料理を楽しめるようにしていきましょう。
韓国の食堂・レストランはここが違う!
スプーンとお箸が無い?
韓国の食堂に行くと、店員さんがスプーンやお箸をくれない時があります。だからと言って、卓上にあるわけでもない。「声をかけないといけないのかな?」と戸惑う方も多いはずです。
そんな時は、まずは食卓の横に引き出しがあるかを確認してみましょう。引き出しの中には、スプーンやお箸、ティッシュなどがあるはずです。
一昔前は、「수저통」という、スプーンとお箸を入れる筒が置いてありましたが、最近では、ほとんどの韓国の食堂で、横に引き出しがついている食卓を導入しています。
「すみません!」では振り向いてはくれない!
日本のレストランや食堂では、「すみません!」と店員さんを呼びますが、韓国では「すみません」で店員さんが逆にびっくりするかもしれません。
というのも、「すみません」という意味である「죄송합니다」「미안합니다」を言っては、ただの謝罪の言葉になってしまうからです。「すみません」という言葉で人を呼ぶのは日本特有の呼び方なのです。
もちろん、手を挙げるだけでも、店員さんが見つけてくださる場合もありますが、大繁盛の人気店などは、気づいてもらえない場合も多々あります。なので、店員さんを呼べる韓国語フレーズは、知っておいた方が良いかもしれません。
こんなに頼んで無いよ!
韓国の食堂やレストランで、料理が出てくると、「あれ?これ頼んだ覚えないです!」となったことはありませんか?
日本では、おかず一品一品を自分で頼む必要がありますが、韓国では基本的におかずがいくつも無料で出てくるのが一般的です。
何も知らないまま、初めて韓国旅行に行ったら、「お通しがこんなに出てきて、一体いくら請求されるの?」と心配にもなりますが、韓国では基本的にお通しという概念はありませんので、ご安心を。
日本ではメイン料理として出てくる「チゲ」や「チヂミ」などが無料のおかずとして出てくる場合もあるので、なんだかちょっと得した気分になるかもしれません。
お店の休み時間がある?
飲食店によっては「브레이크타임(break time)」と言って、お店の休み時間がある場合があります。店舗やお店によって異なりますが、大体3時から5時まで間が大半だそう。
この「브레이크타임」には、従業員たちがお昼ご飯を済ませたり、夜の営業時間に必要な材料を買い出しに行ったりします。
お店に入店自体できない場合がほとんどですが、アットホームな食堂だと「브레이크타임」であっても、入れてくれる場合がありますので、急ぎの場合は一度「지금 식사 돼요?(今、食事できますか?)」「지금 영업해요?(今、営業してますか?)」などと尋ねてみるのも良いでしょう。
韓国料理店で使えるフレーズ一覧
お店に入るときの韓国語フレーズ
楽しみにしていた韓国料理!いざ、入店した時に、どんな韓国語を使うべきか?また、従業員にどんな言葉をかけられるかを予習しておきましょう。
어서 오세요(いらっしゃいませ)
入店したときに、一番先に聞くフレーズです。
몇 분이세요?(何名様でしょうか?)
「어서 오세요(いらっしゃいませ)」の後は、大体は「몇 분이세요?(何名様でしょうか?)」と人数を聞かれます。
「몇 분이세요?」の「분(名様)」は、お客様に対する敬語であるため、答える際には「명(名)」を使って答えるようにしましょう。
어서 오세요!
(いらっしゃいませ!)
몇 분이세요?
(何名様でしょうか?)
2명이요.
(2名です)
비어 있는데 앉아 주세요.
(空いてるところに座ってください)
日本では、お店を訪れた際、ほとんどの場合、席を指定されますが、韓国では、自分で空いている席に座ることが結構あります。
예약하셨어요?(予約されましたか?)
人気なお店だと、予約しているかを確認される場合もありますよね。
そんなときは「예약하셨어요?(予約されましたか?)」と聞かれるはずです。
어서 오세요!
(いらっしゃいませ!)
예약하셨어요?
(予約されましたか?)
아니요.
(いいえ)
한 시간 정도 기다리셔야 하는데 괜찮으세요?
(1時間ほど待ちますが、大丈夫でしょうか?)
店員さんを呼ぶときの韓国語フレーズ
まずは、韓国の食堂やレストランに訪れた際に、店員を呼ぶときに使える韓国語です。
저기요(すみません)
저기요は「저기(あの・あちら・あそこ)」+丁寧体の「요体(です・ます)」で成り立ちます。
直訳で「あちらです」という意味にもなりますが、人を呼ぶ時の「すみません」という意味にもなります。店員が遠くにいて気づいてもらえなさそうな時に使います。
また、「저기요」は、道端で人に声をかけたい時の「すみません」としても使うことができます。
- 저기요, 여기 주문할게요.(すみません、ここ注文お願いします)
- 저기요, 지갑 떨어뜨리셨어요(すみません、財布落としましたよ)
여기요(すみません)
「여기(ここ・こちら)」+「요体(です・ます)」の組み合わせです。
「여기요」も「저기요」と同様、「すみません」という意味となります。저기요に比べると、「ここにいるよ」とやや強調するような時に使用します。店員に早く気づいてほしい時や、たくさん人がいて「私はここです!」とアピールしたい時などです。
また、道端で人に声をかけたい時には、「여기요」だと不自然ですのでご注意を。
- 여기요, 메뉴판 좀 주세요(すみません、メニュー表ください)
- 여기요, 여기 소주 하나요(すみません、ここソジュ(焼酎)1本ください)
사장님(社長さん)
店員を呼ぶときに「사장님(社長さん)」と呼ぶときもあります。
相手が従業員なのか、社長かどうかは関係はなく、相手を持ち上げる呼び方として「사장님」と呼びます。
自分より年配の方に使うイメージはありますが、明らかにアルバイトの店員でも「사장님」と呼びかけるときもあります。
店員は「점원(店員)/직원(職員)」ですが、日本語でも「店員さん」と呼ぶことがないように「점원님」「직원님」というふうに呼ぶことはありません。
- 사장님, 이거 얼마예요?(社長さん、これはいくらですか?)
- 사장님, 여기 1인분 추가요(社長さん、ここ一人前追加で)
呼び方が多くても迷う方も多いと思いますが、働く側からしたら、「사장님と呼ばれたときが一番気分が良い」との声がありました。なので、迷ったら「사장님」を使うと間違いないです。
“사장님이라고 부를때 제일 기분좋구요. 저기요, 여기요 는 전혀 기분상하지 않아요. 오히려 이모, 언니 라고 하면 낮춰 부르는 기분이 들던데요?”(「사장님」と呼ばれた時が一番気分がいいです。 「저기요」「여기요」は全然気分を害しません。 むしろ「おばさん」、「姉さん」というと呼び捨ててる気がします)
「네이트판」より引用
언니(姉さん)
「언니」は、女性が自分より少々年上のときに使う「姉さん」という表現ですが、お店で注文をするときに使う場合もあります。
親近感がわく呼び方ではありますが、馴れ馴れしく感じる方もいるため、使い方には注意が必要です。
- 언니, 이거 더 주세요(姉さん、これおかわり下さい)
- 언니, 불판 갈아 주세요(姉さん、網交換お願いします)
이모님(おばさん)
「이모」とは一般的に母方の姉妹に対して使用する「おばさん」という意味ですが、アットホームな食堂などでは、親しみを込めて「이모님(おばさん)」と店員を呼ぶことがあります。もっと仲良くなったら「님」を取って「이모」と呼ぶことも。
一般的に「おばさん」という意味である「아줌마」は、ストレートな表現で、少々気分を害する可能性があります。
- 이모님, 저희 또 왔어요(おばさん、私たちまた来ました)
- 이모, 이거 너무 맛있어요(おばさん、これすごく美味しいです)
삼촌(おじさん)
「삼촌」は一般的に父方の兄弟に対して使用する「おじさん」です。「이모님」と同じく食堂では親しみを込めて「삼촌(おじさん)」と男性の店員に呼ぶことがあります。
自分が何歳かにもよりますが、常連や顔なじみが30~50代以上の男性店員を呼ぶ場合によく使われる印象です。
- 삼촌, 물 주세요(おじさん、水ください)
注文時によく使う韓国語フレーズ
韓国語で店員を呼び、注文を取る際に、どんな言葉で注文をすべきかについてご紹介します。
주세요(ください)
料理を頼む時の一番一般的なフレーズです。
「주세요」の前に自分が注文したいメニューの名前や数を入れると、店員さんにすぐ伝わるはずです。
「저기요」+「名詞」+「数인분」+「주세요」で「すみません、○○を~人前ください」です。
- 불고기 2인분 주세요(プルコギ2人前ください)
- 저기요, 사이다 한 병 주세요(すみません、サイダー1本ください)
이거(これ)
メニュー表に載っているハングルがなかなか読めなかったり、読むのが恥ずかしいという方は「이거(これ)」を覚えると便利です。
- 이거 3인분 주세요(これ3人前ください)
- 이거랑 이거 하나씩 주세요(これとこれ1つずつください)
메뉴 추천 좀 해주세요(何かオススメしてください)
「추천」は直訳で「推薦」で、日本語の「おすすめ」というニュアンスで韓国ではよく使われる言葉です。
どのメニューを選ぶか迷った際には、店員さんに直接「메뉴 추천 좀 해주세요(何かオススメしてください)」とお願いしてみたり、「추천 메뉴가 뭐예요?(オススメのメニューは何ですか?)」または、「제일 잘 나가는 게 뭐예요?(一番よく売れるのがなんですか?)」と尋ねてみるのも良いでしょう。
また、若い方がよく行くインスタ映えするようなおしゃれなお店やカフェだと、その店を代表するメニューが存在することも。そんな時は、「여기 시그니처 메뉴가 뭐예요?(ここ、シグネチャーメニューがなんですか?)」と聞く場合もあります。
뭐 드릴까요?
(何にされますか?)
추천 메뉴가 뭐예요?
(オススメはなんですか?)
다 맛있는데, 칼국수가 제일 잘 나가요.
(全部美味しいですが、カルグクスが一番売れます)
그럼, 그거 주세요.
(では、それください)
더 필요한 거 없으세요?(ほかに必要なものはございませんか?)
料理を注文後、店員さんに「더 필요한 거 없으세요?(ほかに必要なものはございませんか?)」と聞かれることがあるかもしれません。
他に飲み物やサイドメニューを追加で頼む際には注文しても良いですし、すべて注文し終わった際には、後述の「그렇게 주세요(そのようにください)」などで注文を切り上げても良いでしょう。
돼지갈비 3인분 주세요.
(豚カルビ3人前ください)
돼지갈비 3인분이요. 더 필요한 거 없으세요?
(豚カルビ3人前ですね。ほかに必要なものはございませんか?)
맥주 한 병 주세요.
(ビール一1本ください)
그렇게 주세요(そのようにください)
日本では料理を頼んだ後、「以上です」「以上で」というふうに切り上げますが、韓国語で「이상입니다(以上です)」はそのようには使いません。「이상입니다(以上です)」は、プレゼンテーションや発表の最後に使うようなすこしかたい言い方になります。
食堂で料理の注文後には、「그렇게 주세요」などで切り上げると良いでしょう。
- 우선 그렇게 주세요(まずはそのようにください)
- 우선 그것만 주문할게요(まずはそれだけ注文します)
そのほかお店で使える韓国語フレーズ
料理を注文した後も、店員さんになにかを尋ねたり、お願いする場合に使える韓国語です。
이 반찬 더 주세요(このおかずもっとください)
「이(この)」+「반찬(おかず)」+「더(もっと)」+「주세요(ください)」とう組み合わせで、「このおかずもっとください」という意味です。
韓国のほとんどの食堂ではナムルやキムチなどの、おかずを無料でおかわりできます。おかずのおかわりは、セルフサービスになっている場合もありますので、お店の中にセルフコーナーがあるか探してみるのも良いかもしれません。
앞접시 주세요(取り皿ください)
「앞접시(取り皿)」+「주세요(ください)」の組み合わせで、(取り皿ください)というフレーズです。
取り皿もおかずと同様、セルフコーナーにある場合が多々あります。
이건 어떻게 먹는 거예요?(これはどうやって食べますか?)
全く知らない韓国料理だと、どうやったら食べたらいいかわからない場合もあるかもしれません。または、お店特有のおいしく食べ方がある場合もありますよね。
そんなときには店員さんに「이건 어떻게 먹는 거예요?(これはどうやって食べますか?)」と尋ねてみましょう。
「이건(これは)」+「어떻게(どのように)」+「먹다(食べる)」で「これはどうやって食べますか?」というフレーズです。
아직 안 나왔어요(まだ出てきていません)
注文したものがなかなか出てこない時は、店員さんに尋ねてみましょう。
「아직(まだ)」「안(否定形)」+「나오다(出てくる)」+「았/었어요(でした・ました)」の組み合わせで、「まだ出てきていません」という意味となります。
いつメニューが出てくるのか確認する時には、「얼마나 기다리면 될까요?(どのくらい待てばいいですか?)」「언제 쯤에 나올까요?(いつぐらいに出てきますか?)」という言い方もあります。
日本人の方は注文して待つ方が多けれど、せっかちな韓国人は聞くことがしばしばあります。聞いても失礼にはなりませんので、気になる場合は、声をかけてみましょう。
저희 냉면 시켰는데 아직 안 나왔어요.
(私たち、冷麺頼んだのですが、まだ出てきてません)
바로 나갑니다. 조금만 기다려주세요.
(すぐ出ます。少々お待ちください)
얼마나 기다리면 될까요?
(どのくらい待てばいいですか?)
이거 포장해 주세요(これお持ち帰り用にしてください)
「이거(これ)」+「포장하다(包装する)」+「어/아 주세요(~ください)」の組み合わせで、「お持ち帰りお願いします」という意味で使えます。
韓国は日本に比べると、テイクアウトできる範囲が広いです。例えば、お店で残したものは捨てたりせず、持ち帰り用にしてもらえます。
ちょっと頼みすぎて料理が残った際は、「남은 건 포장해 주실 수 있나요?(残ったものはお持ち帰り用にしていただけますか?)」と尋ねてみましょう。
会計時に使える韓国語
食事を済ませた後、会計時に使える韓国語をご紹介します。
계산해 주세요(会計してください)
「계산」は漢字語で「計算」ですが、食堂などでは「会計」という意味で使われます。
「계산하다(計算する)」+「~아/어 주세요(~してください)」で、「会計してください」という意味となります。
カウンターに店員さんがいない時などに、店員さんを呼びながら使えるフレーズです。レストランや食堂以外にもコンビニでもよく使われます。
- 여기, 계산 좀 할게요(すみません、お会計お願いします)
- 카드로 계산해 주세요(クレジットカードで会計お願いします)
영수증 필요하세요?(レシート必要ですか?)
「영수증 」は漢字語で「領収書」ですが、「レシート」という意味合いもあります。
お会計後に、「영수증 필요하세요?(レシート必要ですか?)」と聞かれる場合や、「영수증 주세요(レシートください)」と言わないといただけない場合があります。もし、レシートが必要な場合は、会計前に申し出ましょう。
また、クレジットカードではなく、現金で会計をした場合は、「현금영수증 필요하세요?(現金領収書必要ですか?)」と聞かれる場合があるかもしれません。
「현금영수증(現金領収書)」とは、現金で決済した場合、携帯番号や現金領収書カードを照会をして、支出内訳を直接国税庁に転送するシステムです。韓国内で年末調整が必要な方が対象になります。
お店を出るときに使える韓国語
美味しく料理を食べた後は、こんな韓国語を店員さんにかけて出るとお互いに気持ちがよくなるはずです。
안녕히 계세요(さようなら)
去る側が言う韓国語の挨拶言葉です。
잘 먹었습니다(ごちそうさまでした)
直訳では「よく食べました」ですが、日本語の「ごちそうさまでした」というニュアンスでよく使われます。
수고하세요(お疲れ様です)
日本語で「お疲れ様です」だと、スタッフ同士や従業員同士で使うイメージがありますが、韓国では「頑張ってください」「ご苦労様です」という気持ちを込めてよく使われます。
또 올게요(また来ます)
料理が美味しかった時は、「また来たい!」となりますよね。そんな気持ちがこもったフレーズです。
韓国語に本気のあなたに特別なご案内
韓国語で注文する時に使用する「すみません」は「저기요」、「여기요」が一般的でした。
その他にも「사장님」、「이모님」、「삼촌」という表現があります。
状況に応じて使いこなせるようになると、韓国文化の楽しみを感じれるようになれそうですね。
手でアピールしながら呼びかけると、より自然体に注文できるでしょう。
ぜひ、店で注文する時や困った時には使ってみましょう。
また、記事を最後までご覧になったみなさんには、韓国語を「外国語」のままではなく、「第2の母国語」にしていただきたいと考えております。
コリアンテナでは、韓国語マスターを本気で目指す韓国語学習者のために、無料特典をご用意しております。
わたしたちと一緒に韓国語を「第2の母国語」にしてみませんか?